基礎知識の不足が混乱に拍車「ウイルスとは何なのか」
最初の問いは、「ウイルスとはなんぞや」である。ウイルスは微生物の一種である。微生物には、ウイルスだけでなく、細菌や真菌、マイコプラズマ、寄生虫がある。ウイルスがその他の微生物と決定的に異なることは、「必要な栄養素がどれだけあったとしても、単独では増えられない」ということである。ウイルスは、増殖に必要なタンパク質を合成するシステムを持っておらず、ウイルスが感染する生き物(宿主)の細胞内の装置を借りなければならない。ウイルスは細胞に感染しない限り、自らの子孫を作ることが出来ず死んでしまう運命なのである。ウイルスは常に生き物をわたり歩いていく、「彷徨える生き物」と言える。 (つづく)