公衆衛生の専門医語る 家庭内リスクコミュニケーションのススメ
本来は、専門家同士が行うものだが、いまは友人同士や家庭で実践する必要があるという。
リスクコミュニケーションは5つの段階で進めていく。「情報の伝達」「意見の交換」「相互の理解」「責任の共有」「信頼の構築」だ。
「人によって、新型コロナについて最新の医学知識まで得ている人もいれば噂話レベルの情報しかない人もいる。まずは友人や家族で新型コロナについて話し合い、情報共有することが大切です」
■情報は対話や意見交換することで正確になる
しかし、情報をただ教え合うだけでは、混乱するだけだ。その情報が正確で各人、各家庭で必要かつ実践可能か、意見を出し合い、どう行動するか話し合う必要がある。
「例えば、ソーシャルディスタンスは『話せば(感染予防方法が)分かる』人たちではなく、『離せば(感染が減るのが)分かる』という地域向けの国際保健の発想です。これをそのまま取り入れるべきか否かを考えるためのリスクコミュニケーションが必要なのです。とくに独り善がりでしゃくし定規になりがちな20~30代の独身者は幅広い世代と意見交換した方がいい」