ウイルス学者が提言 基本を徹底すれば普通の生活は続けられる
「感染が増えたもうひとつの理由は気候です。ウイルスは気温が下がれば不活化しにくくなるうえ、空気が乾燥すれば口から飛び出した微細な飛沫は水分が抜けて長時間、空気中に漂い、感染リスクを高めます。しかも、水分が抜けた飛沫は粒子が細かくなるため、人が吸い込んだ時に、より肺の奥まで達して重症化リスクが高くなるのです」
では、どうすればいいのか?
「これまでと異なることをする必要はありません。やるべきことは『手洗い』『会話時のマスク』『3密回避』『換気』『過度の飲酒の禁止』などです。ただし冬は、春や夏や秋に比べて、人がもともと持っている自然免疫の力が低下するうえ、ウイルスが不活化しにくい環境になるため、より基本の感染症対策を徹底する必要があります。特に冬季は換気に要注意。一般家庭で使われる暖房は室内で空気を暖めるだけで外気との交換が行われないタイプが多い。それだと、ウイルスを含む飛沫粒子が長時間、空気中を漂い、感染リスクが高くなる。仮に、人がいなくなった部屋でも、感染者から飛び出たウイルス含有微細粒子がしばらく漂っている可能性があります。ですから、いままで以上に換気は大切です」