心不全の予兆の可能性あり 1カ月で体重2~3キロ増に注意!
生活習慣を整え、心不全のリスク因子となる病気を抱えているなら、その治療を徹底的に行う。さらに、心不全対策で特に押さえておきたいポイントは2つある。
まず1つは、体重が1カ月で2~3キロ増えた、夜中のトイレの回数が増えた、手足が冷えるなど、「これまでになかったこと」が起きたら急性心不全の予兆を疑う。
「特に体重の増加は心不全で水がたまった可能性があります。病院で心電図、レントゲン、血液検査をして、心臓にどれほど負担がかかっているか調べるべきです」
心不全には「左室駆出率が低下した心不全=HFrEF(ヘフレフ)」と、「左室駆出率が低下していない心不全=HFpEF(ヘフペフ)」がある。高齢者に非常に多いのが後者のヘフペフで、心電図で異常が見つかりにくい。
「なんとか、ぎりぎりで心臓は動いているので、そのままいけば元気に活動できる。ところが暴飲暴食、睡眠不足、疲労、ストレスなどがあると、夜中に一気に具合が悪くなり、急性心不全を起こしてしまう」
ヘフペフは、もう一つのヘフレフと違い、治療薬がない。暴飲暴食、睡眠不足、疲労、ストレスに日々気をつけるしか対策がない。これが2つ目のポイントだ。
なお、SGLT2阻害薬はヘフレフに対し認可されたが、いまヘフペフに関しても大規模臨床試験が行われている。この結果次第では、ヘフペフ初の心不全治療薬となる可能性がある。