もう歌えないかもと涙…エドアルドさん多発性硬化症と闘う
しびれの原因は、脊髄の上から5番目の骨と骨の間の炎症だったようです。その炎症を抑えるためにまずは3日間ぶっ通しのステロイド点滴が行われました。その後は錠剤のステロイドになりましたが、その効果を見るために3日に1回、脊髄液採取をするのがいちばんつらい治療でした。大きな注射で脊髄液を採られるので、ものすごく痛いんです。リラックスしていないとちゃんと採取できないようで、何時間もベッドで丸まっていたこともありました。しかも、終わった後がまた痛いのです。
でも、2回目の脊髄液採取で少し数値が良くなったと聞いたとき、初めて希望が見えました。少しずつでも良くなれるなら……と、治療にもリハビリにも積極的になりました。
■たくさんの温かい言葉がいちばんの薬だった
いちばん効いた薬は、ファンの方々のたくさんの温かい言葉でした。声やメールが届いて、「ひとりじゃない、みんなが心配してくれている」と思ったら、自然と力が湧いてきたのです。
病院でもちょっとした良いことがありました。病棟フロアの談話スペースでテレビを見ながらくつろいでいると、偶然、私が以前出演したNHKの歌番組の再放送が流れ始めたのです。マスクで顔半分は隠れていましたが、私を見て「似てるね」とほほ笑む人がいたり、私がここにいるとは知らずに「この人、歌がうまいね」なんて話している人たちもいて、とても幸せな気持ちになりました。また、ブラジルでは歌仲間が私のためにライブ配信で寄付を集める活動をしてくれて、「治療費に」と送ってくれたりもしたのです。