高齢者の1割が脊柱菅狭窄症 手術すべきベストなタイミングは
■タイミングを逃すと症状が消えずらくなる
理由は4つある。まず、やがて「間欠性跛行」という症状が出てくる。しばらく歩くとしびれや痛みで歩けなくなり、休むとよくなるが、また歩き出すとしびれや痛みが出てくるもので、生活の質(QOL)が著しく下がる。
次に、病歴が長引くほど、手術をしてもしびれが改善しにくくなる。
「特に、足裏のしびれは残りやすい。患者さんの中には『砂利を踏んでいるようだ』『皮を一枚挟んでいるよう』と話す方も。しかし、早い段階で手術を受ければ、しびれがなくなる可能性が高くなるのです」
「足裏のしびれ」が起こるのは、脊柱管狭窄症の中でも「馬尾型」というタイプ。このタイプは陰部の感覚が鈍くなり、肛門括約筋もまひしやすくなるため、膀胱直腸障害、つまり尿漏れや便を我慢できないなどの症状が出る恐れがある。まれではあるが、馬尾型に椎間板ヘルニアや背骨の骨折が加わると一気に膀胱直腸障害がひどくなるケースもあるので早い段階で手術を受けた方がいい。これが3つ目の理由だ。