目の下のクマが気になる…病気の兆候である可能性は?
目の下のクマのほとんどは、脂肪を包んでいる膜や皮膚にたるみが生じた状態です。これは加齢や遺伝によるもので、いわゆる「黒クマ」(陰クマ)と呼ばれます。また目の下の脂肪が多めの方は、赤みを帯びていることがあります。いずれにしても、病気ではありません。
ただし、クマができやすくなって、同時に身体の症状も出てきたなら、病気の可能性があります。ひとつは甲状腺疾患です。たとえば「バセドー病」の場合、眼球を動かす筋肉や眼球の裏にある脂肪組織に炎症やむくみが生じます。それが肥大し、眼球が前に押し出され、目の下に黒クマができるのです。身体症状として、息切れしやすくなったり、食事は取れているのに体重が減ったり、汗をかきやすくなったりします。
「鉄欠乏性貧血」では、目の周りの毛細血管が血行不良になることでクマができます。目の下に赤黒い色をした還元ヘモグロビンが停滞し、青クマとなって生じるのです。めまいや喉が渇きやすいといった症状が表れます。
茶色のクマができたら、「アトピー性皮膚炎」や「花粉症皮膚炎」といった皮膚疾患が原因でしょう。その場合、目の下のクマだけでなく、目の周り全体がくすんでいます。皮膚に花粉などが付着し、炎症を起こし、色素沈着するためにクマは茶色がかります。身体症状はかゆみのほか、花粉なら鼻炎なども伴うので分かりやすいでしょう。