グルコサミンやコンドロイチンは関節の痛みに効くのか?
グルコサミンやコンドロイチンに関して、変形性膝関節症・股関節症などの痛みの緩和に世界的に用いられているといった研究報告は多数あります。たとえば2000年に海外の有名な医学雑誌「JAMA」に掲載されたボストン大学の研究では「グルコサミンおよびコンドロイチンが変形性関節症の症状を緩和する可能性がある」と結論づけています。01年には雑誌「Lancet」に掲載されたベルギーのリエージュ大学、米ジョージタウン大学、英ロンドン大学などの研究においても、「グルコサミン硫酸を1日当たり1500ミリグラム内服したところ、変形性膝関節症の改善を認めた」としています。
一方で、効果はない、まだまだ医学的根拠が不足している、と結論づけている報告も少なくありません。
これまでの報告を総合的に考えると、現時点でのグルコサミンやコンドロイチンの膝関節痛・股関節痛に対する効果およびエビデンスはあまり強くなく、限定的と考えられます。それよりも、エビデンスがはっきりしている大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)訓練などの運動療法や、肥満がある方であれば減量などを優先すべきといえるでしょう。