リビングに介護ベッド設置 家族と過ごす時間が自然に増えた
でも見方を変えれば、リビングは家族が集う場所。自然と患者さんの周りに家族が集まり、患者さんも一緒にテレビを見たり、食事の時間を共にできる。患者さんとご家族が一緒に過ごす時間が増えることにつながります。「最初は抵抗感があったけど、リビングのベッドでよかった」と話すご家族も多いです。
以前、こんな患者さんがいました。骨髄異形成症候群と慢性心不全を患う75歳男性で、奥さまはパーキンソン病で施設に入所中。大学生のお孫さんと2世帯住宅に同居していました。
ご本人は元会社経営者で、自分の意見をしっかり意思表示される方。それだけにご本人やご家族の意見を聞きながら「環境調整」を進めました。
日常生活を送る上での基本的な動作(ADL)のレベルは、歩行時は杖、距離が長くなると車椅子を使い、トイレでは見守り、シャワー浴では介助が必要といったレベル。限られた時間の中、ケアマネさんに急ぎで介護保険の区分変更の認定調査の依頼をお願いしたり、介護ベッドの即日の導入をしたりと慌ただしい環境調整となりました。