臭いが消える一因は鼻の中の「気流」にあり 国際誌に論文掲載

公開日: 更新日:

 ところが、予想に反して何の規則性も得られなかった。その原因を探っているうちに、鼻の悪い人は、口呼吸で鼻の空気の流れの悪さを補っていることに思い当たったという。

「そこで、別の95人の臭いが正常な患者さんで、安静な部屋でリラックスした状態での呼吸を調べたところ、鼻の入り口と上咽頭の圧力差(鼻腔抵抗)が10パスカル以上ある人は、口呼吸することがわかったのです。そこで、改めて気導性嗅覚障害で手術した31人の、手術前のデータから鼻の中の圧力差が10パスカルより下の人だけのデータを取り出し分析したところ、予想通り、臭いを感じる領域で空気の通過量が少なく、流れも緩やかだったことがわかったのです。これでは、臭いのセンサーである嗅神経が分布している嗅粘膜が位置する、鼻の奥の嗅裂には届きにくい。さらに、気導性嗅覚障害の人は鼻の中の構造に特徴があることもわかりました。鼻甲介(上・中・下と3つあり、エアコンの吹き出し口の羽根と同じような形の薄い板状の出っ張りで息の流れや量を調節)と呼ばれる部分が張り出していたり、嗅裂の形がいびつだったりしていたのです」

 通常、鼻詰まりの手術といえば、鼻中隔湾曲症や副鼻腔炎の手術が定番だが、流体力学的な視点はない、と浅間院長は言う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」