子宮頸がん発症予防のワクチン接種は本当に必要なのか? 4月から定期接種が再開
海外の研究では、接種年齢が若いほど感染予防効果が高いとの結果が出ている。定期接種、接種逃し世代(前述の1997年度生まれから2005年度生まれの女性)ともに、できる限り早い接種がお勧めだ。一般的に6カ月間に3回打つ。
「接種逃し世代の対象者で、8年前に1回または2回接種していた人は、残りの回数(1回すでに打っている人は残り2回、2回の人は残り1回)だけを受けてください」
最初の性交渉前にワクチン接種ができればベストだが、性交渉経験があっても、接種時点でHPVに感染していなければ、HPVワクチンの恩恵を得られる。だから、接種逃し世代の対象で性交渉経験済みでも、受けた方がいい。
HPVワクチンの定期接種の積極的勧奨が8年間差し控えられていたのは、疼痛や運動障害など多様な症状が報告されたから。これに関しては、名古屋市大の大規模疫学調査、厚労省の全国疫学調査、海外の膨大なエビデンスで「HPVワクチンとの因果関係がない」と証明されている。
「諸外国ではHPVワクチン接種がかなり進み、子宮頚がんの患者数は激減しています。スウェーデンでは17歳未満で接種した場合、31歳の誕生日までに子宮頚がんを発症した率は88%減少し、イングランドでは12~13歳接種で発症リスクが87%減少している。50年後には子宮頚がんはなくなるだろうという話もあり、日本だけが“風土病”のように残っていくのではと危惧しています」