相手に何かをしてもらいたければ親切の先手を…好意の返報性
人間関係において距離感を縮めるというのは、大きなテーマだと思われます。
心理学の世界には、相手の態度に対して自分も同様の態度で相手に返す「返報性」と呼ばれる概念があります。好意、敵意、譲歩、自己開示などいくつかの返報性があるのですが、ポジティブにもネガティブにも作用する、たとえば「好意の返報性」と呼ばれる心理学用語があります。
端的に言えば、誰かに何かをしてもらったとき、自分も何かお返しをしなければと思ってしまう心理的作用。コーネル大学のリーガンは、「美術鑑賞」という名目で被験者を募った実験(1971年)を行っています。
この実験では、被験者に加え、もう1人のサクラである被験者を用意し、「被験者+サクラ」の2人1組で作品の評価をしてもらいます。その際、被験者を次の2つのグループに分けて行いました。
【グループ1】作品評定の合間の短い休憩中に、サクラが10セントのコーラを1本おごるグループ
【グループ2】作品評定の合間の短い休憩中に、サクラが何もしないグループ