【紫色尿バッグ症候群】増殖した腸内細菌が原因で尿が紫色に変色
バッグ内の尿を培養することで、原因菌が判明するケースもあります。プロビデンシア属(Providencia stuartii)など、いくつもの腸内細菌が原因菌として知られ、そうした細菌がカテーテルに定着することで起こる可能性があるのです。
ただ、発熱など感染症状が見られない場合(無症候性細菌尿)は、抗菌薬による治療は必要ないと考えられています。抗菌薬の感染予防効果は一時的なものにすぎず、長期の使用は耐性菌感染のリスクを高めます。カテーテル留置に伴う無症候性細菌尿に対し、抗菌薬などの投与は原則不要です。治療よりも、その背景になりうる便通のコントロールや、寝たきり、カテーテル長期留置、細菌感染などに対する予防医学の重要性が指摘されています。
このほか薬剤が原因で尿が着色する場合もあり、抗菌薬ではセフォゾプラン(赤色~濃青色尿)や、ミノサイクリン(黄褐~茶褐色、緑、青色尿)などが知られています。尿への着色については次回もう少し詳しくお話しします。