【尿着色】薬だけではなく病気が原因で色が変化するケースも
前回、抗生物質(抗菌薬)の使用によって尿が着色するケースがあるというお話をしました。
尿への着色が知られている医薬品には、前回取り上げた抗菌薬のセフォゾプラン(赤色~濃青色尿)やミノサイクリン(黄褐~茶褐色、緑、青色尿)以外にも、セフジニル(赤色)やリファンピシン(橙赤色)などの抗菌薬があります。
抗菌薬以外では、下剤のセンノシド(赤色)やパーキンソン病の薬であるレボドパ(黒色)といった薬で、尿に色がついたという患者さんからの訴えが多くあります。
また、ビタミンB2を飲んで尿が黄色くなったという経験がある方は多いのではないでしょうか。ほかにも食品が原因で尿が着色する場合があり、食品の色素であるビーツによって赤色尿がみられることもあります。
こうした「尿の変化」は、薬によるものだけではなく、さまざまな疾患によって引き起こされることもあるので注意が必要です。
通常の場合、尿はほぼ無色~黄色というのが正常なのですが、たとえば「尿路感染症」では、尿が濁ったり、赤色になったりするケースもあります。尿が濁るのは、感染症により増加した白血球や尿酸塩またはリン酸塩でできた結晶、あるいは膣からの分泌物が混入している可能性も考えられます。赤色になるのは、尿管や腎臓からの出血による血尿が考えられます。