「疲れたから」と部屋にこもりがちの老親に笑顔が戻った
彼女は自宅でできる仕事をしており、比較的時間の融通が利く生活で、しかもおばあちゃん好き。時間を見つけてはおばあちゃん宅に通い、話し相手になり、またアルバムを引っ張り出してはおばあちゃんと一緒に眺めたり、昔の映画を見たりしていたそうです。
すると、あんなに無気力になっていた母親の様子が変わってきた。食欲もなくなり料理もあまり作らなくなっていたのが、もともとは好きな料理を孫と一緒にするようになり、やがては得意料理を孫に教えたり、連れ立って買い物にも出かけるようになった。表情もびっくりするほど生き生きしたものに変わった。コロナ禍に入る前は、母・娘・孫の親子3代で近場の温泉旅行にも出かけたそうです。
老化現象で前頭葉は萎縮しますが、アルツハイマー病も前頭葉機能がかなり落ちます。
アルツハイマー病が最初うつ病と誤診されることがあるのは、前頭葉の機能が低下したからです。
意欲の活発化は、認知症の進行を遅らせることにもつながりますし、認知症の予防にもなります。自らやるなら、楽しいと思えることを。楽しいことだからもっとやろうと思え、上手にできればうれしく、もっと上達したいと思える。老親などに勧めるなら、やはり老親が興味を示しそうなことを。