肥満・糖尿病・脂肪肝は「肝がん」のリスクを上げる…がん死亡数では第5位
次に、糖尿病だ。
「米国、日本どちらの研究においても、糖尿病の人の肝がんの死亡リスクは約2倍高い。糖尿病患者の死因の6%は肝がんという糖尿病学会の報告もあります」
さらに、肝臓に脂肪がたまる脂肪肝も、肝がんリスクを高める。
脂肪肝には、アルコールをほとんど摂取しなくても発症するNASH(非アルコール性脂肪肝炎)があり、近年はこのNASHによる肝がんも増えている。NASHは、肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧がある人にリスクが高い。
こうやってみると、糖尿病、脂肪肝ともに、肥満が関係しているわけだがーー。
「メカニズムとして、内臓脂肪が蓄積されるとアディポサイトカインというホルモンの分泌不全が起こり、炎症やがんを促進させる因子が増え、がんを抑制する因子が減る。また肥満はインスリン抵抗性を起こすため膵臓がインスリンをたくさん出すようになり、このインスリンががん細胞の増殖にかかわっていると考えられる。さらに、インスリンは門脈を通って肝臓に最初に流れ込むため、肝臓に最も影響を与えるとみられる」