適量のお酒が心臓を守るのは本当なのか ストレス緩和が影響
昔から「酒は百薬の長」といわれるように、飲酒は心臓を守ることにもつながるといえるでしょう。ただし、お酒を百薬の長にするためには、やはり適量であることが重要です。ストレスを緩和する、睡眠を誘発する、排尿を促す、食欲を増強するといった作用が、一定のプラスになる範囲でとどまるような量が適量といえます。
ちなみに、心臓にトラブルを抱えていたり、心臓手術を受けた患者さんには飲酒の指導を行います。とりわけ、心臓の機能が落ちている人や、たくさんの薬を服用して心臓の状態を管理している人に対しては、気を付けて飲酒するように伝えています。具体的には、ビールなら350ミリリットル缶1本から500ミリリットルの中瓶1本程度、ワインならグラス2杯、日本酒なら1合くらいが目安です。厳密に比較すれば含まれているアルコール量は計算が合わないのですが、お酒の種類によって酔い方の違いもあったりするので、これらを“適量”と考えてもらいます。
はっきりしたデータはないとはいえ、お酒が好きな人がその飲酒量を超えてしまった場合、アルコールの影響で脳が麻痺して、止めどなく飲んでしまうケースが多くあります。ですから、適量とは「飲酒を自制できる量」と言い換えてもいいでしょう。