病気をいち早く見つける「スマートウエア」って何だ? 着るだけで心拍数をチェック
「普段から計測しておけば、その人の“基準値”が分かります。普段心拍数が60回/分なのに90回/分になった人と、普段から90回/分の人とでは重みが違います。1日の中での変動も一目瞭然ですから、心拍数の上昇に何が関係しているかも分かります」
スマートセンシングウェアの計測の正確性は実験で確認済み。耐久性も高い。実験では「洗濯機で洗濯して干して」を100回まで繰り返したが問題なかった。つまり、従来の服と同じ扱いでOK。
「センサーと服の一体化」に関する研究は塩澤教授以外のところでも行われているが、「アルコールで皮脂を落としてから着てください」「皮膚を濡らしてから着てください」など、何らかの条件が付いているものがほとんど。塩澤教授は、とにかく「ただ着るだけ」にこだわっている。
スマートセンシングウェアの研究チームには医学部の医師も加わっており、今後は医療分野での応用を視野に入れている。
スマートセンシングウェアは実用化もされている(https://www.cocomi.toyobostc.com/cycling/)ので気になる人はお試しを。「センサーが付いているなんて嘘でしょ?」と思うくらい、服そのものの着心地だ。