アミロイドβの次はタウタンパク質を除去する薬の開発【アルツハイマー病治療最前線】
■自立したまま人生をまっとうできる未来も遠くない
【アミロイドβを蓄積しないためには?】
「蓄積のメカニズムははっきりしていない部分もあり、確実な方法は現状ではありません。ただ、糖尿病や肥満はアルツハイマー病のリスクを上げ、有酸素運動はリスクを下げることがわかっています。これらを行うことが、アルツハイマー病予防に役立つでしょう」
【アミロイドβ除去以外で、最近開発されている薬は?】
「アミロイドβの蓄積・凝集の後に起こるのがタウタンパク質の蓄積・凝集です。このタウタンパク質を蓄積しないようにする薬の開発が現在行われています」
また、脳には血液脳関門があり、物質の透過性は厳密にコントロールされている。
レカネマブなどの薬においても、血液脳関門に阻まれて成分の0.1%ほどしか脳の中に取り込まれないといわれているが、今後は変わる可能性がある。
「スイスの製薬会社ロシュが、血液脳関門を突破させる方法を開発しています」
アルツハイマー病と共存し、自立した生活を維持したまま人生をまっとうするーー。遠い未来の話ではないかもしれない。