前立腺肥大症の最新手術「WAVE治療」は負担が小さく合併症も少ない
そこで注目されているのが冒頭で触れた「WAVE治療」だ。低侵襲で、従来法が適応されなかった人でも受けられる。
「WAVE治療は尿道から機器を挿入し、先端部分から放出される103度の水蒸気の対流熱で一定範囲の前立腺組織を均等に加熱して壊死させ、尿道を広げる方法です。静脈麻酔で行え、早ければ3分程度で終わるので希望があれば外来で行うこともできます」
手術後はカテーテルを尿道に入れたまま帰宅し、1週間後の外来で抜去する。壊死した組織は1~3カ月かけて体内に自然吸収され、効果は自然吸収が進む約1カ月後以降に表れる。
「WAVE治療は即効性がないので、良くならないのではと不安がる患者さんが一定数います。しかし、約1カ月経つと急激に排尿障害の症状が改善したと驚かれる方が多い」
前立腺肥大症は、国際前立腺症状スコア(IPSS)やQOLスコアの点数といった自覚症状の問診票を基に重症度を判断し、尿の勢いは最大尿流率(Qmax)の値から他覚的に評価される。手術前後の自他覚症状を比較したところ、症状はかなり改善されたという。