最新のがんマーカーは複数のがんを早期発見できる…名古屋大が発表

公開日: 更新日:

「胃がんかどうか確認するには胃カメラを用いますが、検査を受ける人の苦痛や検査費用の高額さのほか、麻酔や器具の挿入による粘膜の損傷といった検査そのものによる危険をある程度伴います」

 胃がんの場合、確定診断には組織を採取(生検)し、病理検査でがんの有無を確認する。感度が高いSDF-4が一般の医療機関で導入されれば、採血結果をもとに内視鏡検査の必要性が高い人を見極める判断材料になることが期待される。

 現在、研究グループは研究成果を国内特許に出願し、他の医療機関でも測定できるSDF-4の検査キットの開発に向けて企業と共同研究を進めている。ただ完成して、一般診療で使用可能となるまでには“壁”がいくつかあるという。

「今回の研究では限られた数の患者さんで検査を行い高い精度を示せました。しかし、実用化するにはより多くの患者さんを対象に診断精度を確認し、証明する必要があります。また、医療費の高騰が進む日本では保険適用の審査が非常に厳しいのが現状です。一日でも早く患者さんの早期発見に役立てられるよう、今後もさらなる研究、開発に取り組んでいきます」

 がんが治癒可能な段階で発見される人が増えるためにも、早期の実用化を期待したい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」