白髪を科学する(3)抗白髪製品…カラートリートメントとの違いは?

公開日: 更新日:

 白髪になる人はこうしたメラノサイトサイクルのうち、①色素幹細胞が衰え十分なTA細胞が供給されない②供給されたTA細胞がうまく毛乳頭周辺に配置されない③配置後、十分な量まで増殖する能力がない④色素細胞があってもメラニン合成活性が失われている……といった異常事態が起こっていると考えられている。

 そこで、医薬品・化粧品メーカーなどはこの4つのポイントをターゲットにした「白髪に効果が期待できる生薬抽出物」の開発を進めている。

 たとえば、サンショウエキスやホップエキスはメラノサイトを、レイシエキスは毛包メラノサイトを、ヤーバサンタは色素幹細胞を、ボタンピエキスはメラノサイト内のミトコンドリアを、それぞれターゲットにして、遊走活性化、増殖活性化、幹細胞維持、色素顆粒輸送活性化などを目指している。

 つまり、抗白髪製品は、髪の毛の表面に色をつけるカラートリートメントとは異なり、白髪を根元から元の色に変えようとするものだ。

 しかし、白髪の8割はメラノサイトが存在せず、残り2割は存在しても毛髪に十分な色素を与えることができない。そのため、いくらメラノサイトを含むメラノサイトサイクルを刺激・活性化しようとしても、必ずしも満足できる成果が上がっていないのが実情だという。 (つづく)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」