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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

毛の着色メカニズムが判明 白髪染めが将来不要になる?

公開日: 更新日:

 髪の悩みといえば、「脱毛」と「白髪」ですが、その原因はまだ不明の点も多いのが現状です。特に白髪についてはヘアカラーなどでも対応が出来るので、あまり研究もされてきませんでした。

 日本人の髪の毛が黒いのは、色素細胞という細胞があって、メラニンという色素が髪に色を付けているからです。色素細胞は毛の根元の毛包や皮膚にある細胞ですが、アメーバのように移動するという不思議な性質があります。髪の毛が成長する時に、その色素細胞が増殖すれば毛は黒くなるのですが、その調節の仕組みはこれまで不明でした。

 昨年の遺伝子研究の専門誌に、毛の着色についての画期的な論文が掲載されました。毛の色素細胞を増殖させるには、KROX20という遺伝子が毛包の上皮細胞で働くことが必要で、それがSCFという別の成長因子を活性化させて黒い毛を作っているのです。KROX20を働かなくすると、毛は作られなくなり、SCFを働かない状態にすると白い毛になることが、動物実験で確認されました。

 使われているのはネズミの体毛ですが、人間の髪の毛でも同じことが起こっている可能性が高いのです。髪の毛は一定の周期で成長したり休んだりを繰り返しているので、そこに遺伝子の調節を行うことにより、白髪を黒い毛にすることも、可能となる理屈です。

 将来白髪染めを使わなくても、黒い髪が復活することが出来るようになるかも知れません。

【連載】医者も知らない医学の新常識

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