東敬一朗
著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

抗血小板薬を使っている人が「出血」で注意すべきポイント

公開日: 更新日:

 血をサラサラにするクスリのうち、「抗血小板薬」を使用している場合の一番の注意点は、「出血した場合に血が止まりにくくなっている」ということです。使っている人の中には、もしかしたら「ケガをしないように注意してください」という指導を受けたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

 ただ、この指導は少し間違っていると思っています。ケガは基本的に突然予測できないところで発生するものだからです。そのため私は、①ケガの恐れのある作業をする場合は十分に注意すること②万が一、ケガをしたとしても慌てずにティッシュなどでしっかり圧迫すること……の2点を指導しています。

 中には「血が止まらなくなる」と勘違いされている方もいらっしゃいますが、こういったクスリを使用していると血が止まらないのではなく「血が止まりにくくなっている」だけなので、しっかり圧迫していれば時間はかかりますがちゃんと止血できます。慌ててパニックを起こす方がよほど深刻なので、まずは慌てないということを覚えておきましょう。

 もうひとつ、これは以前もお話ししましたが、他の病院や歯科を受診する際には、血をサラサラにするクスリを使用していることを必ず伝えてください。出血を伴う治療や検査がある場合にこういった情報が伝わっていないと、予想外の大出血につながってしまう可能性があるのです。意外と見落とされがちなのが歯科での抜歯なので、注意しましょう。

■関連キーワード

最新の健康記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  2. 2
    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

  3. 3
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 4
    「今市事件」服役中の勝又拓哉受刑者「『有希ちゃんを殺してごめんなさい』って50回言わされた」

    「今市事件」服役中の勝又拓哉受刑者「『有希ちゃんを殺してごめんなさい』って50回言わされた」

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

  1. 6
    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

  2. 7
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  3. 8
    杉咲花&若葉竜也「親密報道」後も評価上昇 「アンメット」の演技にはゴシップを超える力がある

    杉咲花&若葉竜也「親密報道」後も評価上昇 「アンメット」の演技にはゴシップを超える力がある

  4. 9
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 10
    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見

    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見