転機を迎えるがん温熱療法…ガイドライン出版で注目される9月の学会
■手術不能の膵がんの70代男性が発病40カ月無増悪を続行
大会では、さまざまな興味深い報告が予定されている。例えば、膵がんで手術不能と診断された70代男性の症例が注目されそうだ。この男性は他の治療法を試みたものの副作用が強く中止となり、最終的に放射線療法+高圧酸素療法+経口抗がん剤+ハイパーサーミア療法を行うことで発症から40カ月の無増悪期間を継続中だという。
ほかにも、遠隔転移の胃がんに対する化学療法にハイパーサーミア療法併用の効果を検討した報告が予定されている。2016~23年に遠隔転移が認められた進行胃がん並びに再発胃がん35例を、抗がん剤治療のみを行った23例と、抗がん剤治療にハイパーサーミア療法を施した12例に分けて比較検討したこの報告では、病勢コントロール率(DCR)は、抗がん剤単独群56.5%、併用群66.7%で、生存期間は抗がん剤単独群で9カ月、併用群で21カ月だったという。(つづく)