てんかん患者の心臓手術は抗てんかん薬の管理が重要になる
子供に発症する病気というイメージを持っている人が多いでしょうが、高齢者での発症も多く見られ、日本では約100万人のてんかん患者さんがいるとされています。
高齢者の場合、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中や、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎などで脳組織が障害を受けたことの後遺症として発症するケースが多く、脳卒中後の5%程度に発症し、脳卒中の発症から数年以内に起こる場合が多いといわれています。また、加齢による脳の変性によっててんかんが起こりやすくなるケースも報告されています。
てんかん発作は、過剰な興奮が起こる部位や電気的な興奮の広がり方によって細かく分類されていて、自分の意思とは無関係に勝手に筋肉が強く収縮するけいれんが起こったり、全身が強直する発作もあります。さらに、発作が5~10分以上長く続いたり、短い発作を何度も繰り返す「てんかん重積」と呼ばれる状態を来すケースもあり、約20%の死亡率があるためすぐにけいれんを止める治療が必要になります。
■手術中にてんかん発作が起こると危険