がんの自由診療でトラブル続々…原則NGでも、使ってOKの例外あり
しかし、自由診療の一部には例外もあります。海外では承認されている薬でも、日本では承認がかなり遅れることが珍しくありません。少し古い数字ですが、2020年に欧米で承認された243の薬剤のうち、日本では約7割の176種類が未承認で、保険診療では使えません。これらの薬を日本で使おうとすると自由診療になります。
こうした海外に比べて日本で薬の承認が遅れることをドラッグラグと呼びます。限られた治療法の中で国内で対処できなくなった患者さんが、海外に治療法を求めたくなるのは十分理解できますから、ドラッグロスの薬剤に限れば自由診療の薬剤も必要になる場面があるでしょう。
でも、それはやっぱり例外的と理解すべきでしょう。その例外という制限を外すと、冒頭のような怪しい治療法にまで手を伸ばすことになりますから。