血液型に関係する病気(1)O型はがんや認知症になりにくい
血液型(本稿ではABO式血液型を指す)が発見されたのは1901年のこと。以来、病気の関係を調べる研究が、欧米を中心に展開されてきました。現在では実に多くの病気のリスクが、血液型と関連していることが分かっています。
たとえば「がん」です。とくに有名なのがすい臓がんで、B型のリスクはO型の1.5~1.8倍と報告されています。胃がん、卵巣がん、口腔がん、子宮がん、大腸がんなどでは、A型とAB型が、O型と比べて10~30%ほど罹患リスクが高いことが分かっています。一方、白血病や悪性リンパ腫は、O型のリスクが最も高く、A型が最も低くなっています。
脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症などは、血管内でできた「血栓」が動脈や静脈を詰まらせることで生じる病気です。これらの病気のリスクも、血液型で異なっています。A型やAB型のリスクが最も高く、O型が最も低いことが多くの研究で示されています。
血栓のできやすさは、血液の固まりやすさを反映しています。O型は血液凝固因子のうち「フォン・ヴィレブランド因子」と「第8因子」という2つの重要な因子が、他の血液型と比べて2~3割、人によっては4割も少ないことが、よく知られています。そのためO型の人は血栓ができにくいのですが、逆に大ケガをすると止血がうまくいかず、失血死する確率が高いことも分かっています。