「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応
「断ったのですか」
「ちょっと気持ちが揺れたけど、私にはその気がないから」
「そうでしたか」
軽い認知症だが、池端さんは「色仕掛け」を感じて賢い対応をしたのだ。しばらくすると、その女性ヘルパーは姿を見せなくなった。そんな折、新聞でこんな記事を目にした。
「相続トラブル、各地で頻発! 一人暮らしの高齢者が被害」
一人暮らしのお年寄りにヘルパーとして接近。献身的な介助の一方で、婚姻や養子縁組などの姻戚関係をつくり、遺産相続を狙う。あるいはヘルパーである自分に遺産の一部を相続させるための遺書を書かせる。そんなトラブルが頻発しているとか。
それにしても池端さんに「その気」がなくてよかった。ごく少数だろうが介護の世界には、こうした「危険分子」が潜んでいる。高齢の親を持つ人は肝に銘じておいたほうがいい。