自由が丘「ほさかや」で外国人青年と同席…鰻丼を我慢して2件の駅近バーへ
第21回 自由が丘(目黒区)①
アタシがまだ高校生だったころ、自由が丘は日吉からやってくる慶応の学生たち(高校生も)のシマだった。
アタシら都立高校の男子生徒が自由が丘のアンナミラーズで制服姿のウエートレスをよだれを垂らしながら追い掛け回していた頃、同世代の慶応の連中は自由が丘はお茶するところ、遊ぶのは六本木だった。東横線が日比谷線に乗り入れているため、六本木へは一本で行けたのだ。彼らが違う世界の人種に思えた。
そんな自由が丘が老いも若きも女性が集まる街に変貌したのは1982年、南口にマリ・クレール通りができてからだろう。この通りに当時注目されていたセレクトショップやおしゃれな飲食店、雑貨店が軒を連ね、雑誌とタイアップして女性の来街者を増やしていったのである。40年以上経つがいまだに廃れることなく賑わっている。
特筆すべきはこの街には巨大な商業施設がないということ。唯一の商業施設といえば、ご存じ自由が丘デパート。マリ・クレール通りと真逆の雰囲気。ゴリゴリの昭和が残る商業ビル。地下1階地上4階のビルは横に長く、テナントはバラエティーに富んでいる。占いの館から怪しげな雑貨屋、エスニックな料理店にド直球の定食屋、3階は昼からやっているスナックフロア。ビルが建てられて間もなく70年。探検に行くなら今のうちだよ。さあ、お立ち会い、ってお化け屋敷じゃないっての。