紅葉期に備えオーバーツーリズム対策に本腰 日本屈指の観光地「京都・嵐山」の取り組みとは
「すると、車の流れはスムーズになりましたが、今度は地域の住民の方が通院や買い物などの日常生活で不便を強いられていることがわかりました。(長期間一方通行を行ったことで)“普段利用している路線のバスに乗れない”と。そのため、今年は市からの補助金を得て商店街らも費用を負担。紅葉シーズンの11月18日から22日と25日から29日にかけ、地域住民向けの乗合タクシーを運行することにしたんです」(石川氏)
増え続ける観光客と地域との共存。空前のインバウンド需要に沸く日本各地が抱えている問題だ。石川氏は「もちろん観光客に来ていただくのは大歓迎ですが、対策はしないといけません」と言葉を続ける。
「ポイ捨てなどの問題も深刻です。そのため、商店街では紅葉シーズンに向けて、商品を購入した店舗に空容器などを返却すると代わりに“お守り”を差し上げることを考えています。地元側が真剣に景観保持に取り組んでいることが相手にも伝われば、おいそれとポイ捨てなどはできないはずですからね」
嵐山の取り組みが、同じ問題を抱える他の観光地のスタディーケースになり得るかもしれない。