「高齢ペットの治療」では、根治を目指すとお別れができなくなるリスクも

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 ところが、そのワンちゃんが治療を受けて飼い主さんと帰宅すると、呼吸がきつくなり、つらそうに見えて、夜間診療を行っている企業体の動物病院を受診。企業体によっては、かかりつけ医を尊重し、一時的なつなぎ治療を行い、翌朝、かかりつけ医への連絡で連携を取ってくれるところもありますが、その企業体は連携が一切ありませんでした。入院です。

■入院で看取りができなくなる可能性も

 翌朝、その飼い主さんからの電話で事情を知りましたが、ハッキリ伝えたことがあります。「それでよいのですか」と。入院すると、看取りができなくなるかもしれないが、それでよいのかという問いです。

 飼い主さんの返事はなく、電話は切れました。その問いを企業体の獣医師に伝えたかどうかも分かりませんが、結局、入院のまま亡くなったそうです。きちんとお別れできたかも分かりません。企業体によっては、面会や看取りができるとは限りませんから。

 企業体がなぜ入院させて治療したのか。治療して助かる可能性を飼い主さんに伝え、それを押しつけて入院させたように思えてなりません。飼い主さんやかかりつけ医の思いを尊重せずにシニアにそこまでするなら、納得できる結果を出してほしいし、できないなら、せめて看取りの概念を理解し、その環境整備に努めてほしいと思います。

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