福島・高湯温泉ホテル支配人ら3人死亡…源泉管理作業は「二呼吸で意識を失う、命がけ」当事者が語る危険度
もちろん、現地の人々は細心の注意を払って作業している。
「ガスマスクやガス濃度探知機などを身に着け、厳戒態勢で作業に臨みます。パイプ点検では、温泉の熱で周辺の雪が解け、くぼ地が生じ、そこに空気よりも重い硫化水素ガスが充満している場合がある。なので、スコップで雪を崩してガスの抜け道を作ってから作業を始めるんです。ホテルの支配人は経験豊富な方だし、気を付けるべきことも熟知していたはず。おととい(17日)は、とんでもない雪の降り方で、1~2時間のうちに急激に積もった(18日午前7時半の積雪量は146センチ)。大雪の影響でガスの流れが変化したのか……。何かしら想定外のことが起こったとしか考えられません」
今後の影響についても、こう危惧する。
「あくまで危険なのは源泉周辺。旅館周辺の安全は確保されています。今回の事件で、観光客が減ってしまわなければいいのですが……」
人里離れた秘湯で起こった悲劇は、源泉管理の過酷さを物語っている。