「拝啓」の後はどうする? 季節の雰囲気を伝える「時候の挨拶」について解説
ビジネス文書編(9)
前回は、社外文書特有の決まり事の中から「頭語と結語」についてお伝えしました。今回は、「時候の挨拶」について解説します。
▽時候の挨拶
社外文書だけでなく、一般的な手紙の書き出しで「拝啓」の後に続く季節の挨拶を「時候の挨拶」といいます。「早春の候」などがその一例です。時候の挨拶には、「〇〇の候」のような漢字を用いた改まった表現と、「春の訪れを感じる季節になりました」といった和語中心の柔らかな表現があります。
また、時候の挨拶には、二十四節気にちなんだ表現も多く含まれています。これは、二十四節気が日本の季節を知る目安となり、古くから農業や生活に生かされてきたことに由来します。
こうした背景から、二十四節気を時候の挨拶に取り入れることで、その時季ならではの雰囲気を分かりやすく伝えることができます。
一方で、二十四節気はもともと中国から伝わったものであり、さらに旧暦をもとにしているため、現代の日本の気候とは少しずれが生じることがあります。そのため、時候の挨拶と実際の気候が一致しない場合もあります。
月ごとの時候の挨拶は<別表>の通りです。