春は狂犬病予防ワクチンの季節だが…集合注射の見逃せない問題とは?
当院は、動物病院の支部会会員ではないので、当然、リストには記載されず、集合注射会場ではありませんが、かかりつけの方はほとんど集合注射ではなく、当院での接種を選択されています。全盛期より減ったとはいえ、その数は年間450件ほど。集合注射会場ではない動物病院としてはかなり多いでしょう。
■かかりつけ医での接種がベター
リストにかかりつけ医の記載があれば集合注射でよいですが、記載がなくてもかかりつけ医での接種をお勧めします。集合注射では流れ作業になり、体調管理の把握が十分でないこともあり、接種後の副反応はじめ体調不良に対応しきれない恐れがあります。
たとえば、接種後のアナフィラキシーは、ワクチンメーカーの保険を利用できるようですが、接種直後のみで、活用例を聞いたことがありません。アナフィラキシーほどではなくても、2、3日後の不調がワクチン接種による可能性が高くても、対応できないことが多いのです。
飼い主さんにとって面倒な注射済票の手続きは当院が代わって行うことで飼い主さんの手間を省いておりますが、そこで問題が生じました。当院は保健所の出張所と20年以上のやりとりがありますが、毎年3月中旬になると、「4月は繁忙期のため出張所に申請せず保健所へ」といった趣旨の手紙が届いていたのが、今年は何と「出張所ではできない」と不思議な内容になりました。