森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前
誰がどういう判断で抜き取ったのか
例えば15年11月の文書。「安倍総理夫人付の谷氏(女性)から本省業務課に森友学園への貸付料減額の可能性等について照会がなされる」と記されているが、この文書は今回の開示から欠落していた。これについて土地を管理する大阪航空局へ情報提供した文書も欠けている。
また14年4月28日、昭恵さんが森友学園の籠池理事長夫妻と国有地前で一緒に撮ったスリーショット写真を近畿財務局の担当者に示した日。担当者は「上司に見せます」と言ってコピーを取ったはずだが、その文書はない。さらにその日から1カ月近くにわたり対応方針について本省と打ち合わせを重ねた記録もない。対応方針について本省が財務局に再検討を指示した際の記録もない。このように昭恵さん案件が多数欠落していることが、財務省の資料で初めて明らかにされた。
このような詳細なリストの存在を、欠落を指摘されるまで財務省が明らかにしなかったのはなぜなのか? そしてリストが存在するのに、そこに載っている文書が存在しないということがあるだろうか? 抜き取られた文書はどこにあるのか、誰がどういう判断で抜き取ったのか、財務省が説明すべき新たな問題が浮上した。