安倍派は裏金「不記載」どころか選挙に流用か…高まる「議員本人」公選法違反で立件の可能性
■森喜朗政権時から始まったか
安倍派が裏金を選挙に流用していたことを示唆する怪文書も永田町で出回っている。怪文書には、森喜朗政権時に実施された2000年の衆院選から〈裏金づくりが始まった〉などと記されている。一部週刊誌が、森元首相が派閥会長の時代から裏金づくりが始まった、などと報じていたが、やはり、安倍派は国政選挙のために裏金づくりに手を染めたのか。安倍派の裏金を巡っては、これまで「派閥の会計責任者はともかく、議員本人を政治資金規正法違反の不記載で立件するハードルは高い」という指摘が専門家から上がっていた。しかし、裏金を選挙で使っていたなら、議員本人が公職選挙法違反に問われるのではないか。元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士が言う。
「国会議員は複数の政治団体の代表を務めています。政治資金規正法違反の不記載で立件する場合、どの政治団体への不記載の問題なのか特定するのが困難です。しかし、裏金を選挙に流用していたとなると話は全く別で、立件のハードルはグッと下がる。公選法は、選挙資金の出入りについて『選挙運動費用収支報告書』に記載するよう義務付けています。基本的に、報告書に記載する主体は議員事務所の出納責任者ですが、議員本人には記載するよう指示を出す責任がある。裏金を受け取りながら、収入を報告書に記載していなければ、議員本人が公選法違反の虚偽記入に問われる可能性がある。議員本人の立件も十分考えられるでしょう」