高級「生」食パン「乃が美」ファミマコラボ売り切れ続出でV字復活? 店舗は最盛期の半数以下
■23年だけで13県で撤退
2013年に創業した乃が美は、小麦や生クリーム、バターなどの原料にこだわり、焼かずに耳までおいしく食べられる「生」食パンのレギュラーサイズ(2斤)が1000円という価格にもかかわらず、行列ができる店舗が続出し、高級食パンブームをけん引。47都道府県すべてに出店し、最盛期には256店舗の出店を達成している。
だが、高級食パン市場への新規参入が相次ぎ、ブーム収束とコロナの影響で店舗数は減少の一途をたどり、現在、日本と台湾で計110店舗と最盛期の半分以下にまで落ち込んでいる。昨年だけでも、群馬、茨城、岐阜、長野、富山、福井、滋賀、奈良、岡山、香川、徳島、高知、大分で店舗を撤退している。
「19年には創業者がファンドに保有株を売却しましたが、その直後に発生した新型コロナとインフレで店舗運営は打撃を受けました。赤字状態が続いた加盟店で結成された“はなれの会”が本部にロイヤリティーの減額交渉を行ったと週刊誌に報じられています。コロナが明けて経済状況は薄日が差し始めているものの、高級食パン市場の苦境が好転することはなく、今年が正念場であるのは間違いないでしょう」(前出・経済ジャーナリスト)
ブームが過ぎ去った今、高級食パン市場自体の生き残りが注目されている。