ニトリHD(上)似鳥昭雄会長10年ぶりの社長復帰は「創業者の宿痾」
24年3月期第2四半期(23年4~9月)決算は減収減益だった。似鳥氏が重視する経常利益は前年同期比19.2%減の569億円となり、24年3月期(通期)の34期連続の経常増益達成が危ぶまれている。同氏が事業子会社の社長に復帰するのは、増収増益路線に戻すための力業という側面が強い。
同第3四半期(同4~12月)決算は増収増益に転じた。経常利益は同3.8%増の1012億円。1ドル=155円でも利益がとれる商品への入れ替えで円安の影響を緩和した。24年3月期の経常利益は前期比2%増の1470億円を見込む。34期連続の経常増益を達成できる可能性が強まったが、1ドル=150円という「異常ともいえる円安」(外為ウオッチャー)が続いていて安閑とはしていられない。
思い返すと16年にも似たような人事があった。14年に似鳥氏が代表権のある会長に就き、後任社長に、副社長の白井俊之氏(68)が昇格する人事を発表。そして16年に、中核会社ニトリの社長を務める白井氏を、持ち株会社ニトリHD社長に引き上げた。
新体制では似鳥氏が最高経営責任者(CEO)で大所高所からビジョンを示し、戦略を練る。白井氏は最高執行責任者(COO)として国内外の事業を統括する。