世耕弘成氏「裏金」報告書“疑惑のポロシャツ代”を追う 怪しい支出は高級クッキーだけじゃない
大阪市内の印刷会社に2万4520円
おかしな追記はまだある。
21年10月12日に「備品・消耗品」として大阪市内の印刷会社に2万4520円を支出。目的には「ポロシャツ」とある。お色気ダンサーを招いた元秘書は「多様性の重要性を問題提起しようと思った」と釈明したが、裏金の使い道まで「多様性」に富んでいるのか。支出先の会社に連絡した。
「ウチはTシャツなどの衣類にオリジナルのデザインをプリントする業務も行っています。野党議員から選挙の時期にネーム入りの揃いのブルゾンの作製を受けたこともあります。支出は2万4520円? プリントの仕様にもよりますけど、衣類代込みでも1着だけの値段ではない。恐らく複数枚を請け負ったのでしょうが、記録を見ないとハッキリしたことは分かりません」(担当者)
支出時期は21年の衆院選と重なるが、世耕氏のSNSやブログの動画や写真をチェックしても、選挙応援の際は常にスーツを着用。以降もスーツにエンジのネクタイが定番で、真夏もフォーマルなスタイルを崩さない。本人はもちろん、ポロシャツを着たスタッフの写真も確認できなかった。
さらに世耕氏のSNSによると、21年11月に田辺市内の事務所を移転。追記分には「引越費用」「敷金」「礼金」など、時期的にその費用とみられる計約288万円の支出が含まれている。訂正前の同年分の収支報告書には「翌年への繰越額」として約2750万円を記載していた。表のカネで十分に賄え、隠す必要もないはずの支出を、なぜ記載してこなかったのか。
一連の追記内容について世耕事務所に質問状を送付したが、期限までに回答を得られなかった。まさか、裏金の総額に支出を近づけるため、ありったけの領収書をカキ集めたわけではあるまい。政倫審で世耕氏がどう説明するのか注目だ。