小林製薬「紅麹コレステヘルプ」で健康被害続出…個別補償はどこまで膨らむのか?
「今回の件が社会問題にまで発展し深くおわび申し上げる」──。小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人の健康被害が相次いでいる問題を受け、小林章浩社長は29日の会見で、こう謝罪した。サプリ原料を解析した結果、青カビ由来の「プベルル酸」が検出され、原因物質である可能性が浮上している。健康被害の相談は累計で約1万5000件寄せられており、実態把握の道のりは険しい。被害者への補償はどこまでなされるのか。
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小林製薬は29日、紅麹サプリを摂取したとみられる1人の死亡を新たに発表。因果関係が疑われる死者は計5人となった。会見に同席した渡辺淳執行役員は、死亡事例に「70~90代の男女が含まれる」と明らかにした。
入院者数は現在のところ114人。体調不良を訴えて通院する人や通院を希望する人は計680人に上るという。「補償については誠心誠意、向き合って誠意を尽くすことをお伝えしている。また入院や治療を受けている方にも、費用を負担することはお伝えしている」(渡辺執行役員)として、一部の遺族と補償について話を始めたという。入院者、通院者、通院希望者に対しては少なくとも治療費を負担する方針だ。