中国資本による日本語学校経営の功罪…「企業統治」に難、一目置くべきは「合理化」
コロナ禍を脱し、日本も少子高齢化を見据えその門戸を対外開放する中、日本語学校のビジネスは拡大期にある。留学生の受け入れをさらに積極化させている中国系日本語学校も散見されるが、その影響が留学生に及ぶことも。「国の基準を満たしているとはいえ、こんな狭い教室で“すし詰め”で学んでいるのか」と驚きを隠さない日本語教師もいる。
何かと世の中を騒がせてくれる「中国系」だが、一目置くべき点もある。それが学校運営の「いい意味での合理化」だ。
日本の学校現場はどこも教師にしわ寄せがいくのが常だが、大手・中国系資本の日本語学校の中には、日本資本の学校を反面教師に、専門チームをつくって対応するところもある。これにより、教師を「時間がかかる授業準備」「出席率の管理」「進路指導」などの煩わしさから解放しているのだ。
あえて大手・中国系の学校で教えてみたいという日本人男性は「何より教師が教務に専念できるのがいい。日本資本にありがちな面倒くさい人間関係もなさそうだ」とポジティブに受け止める。時給も日本資本の日本語学校よりも割高だ。
「働き方改革」の蚊帳の外に置かれた日本語学校業界では、今なお「低い給料水準」が不満の種となっているが、「質の高い中国系が改革をリードできるのではないか」と、男性は前向きだ。