西友(下)「小売業再生の請負人」大久保恒夫社長兼CEOと大株主KKRにすきま風が
ドラッグイレブン社長、成城石井社長、デニーズの運営会社のセブン&アイ・フードシステムズ社長を務めた。古巣のセブン&アイ・ホールディングス(HD)の常務執行役員を経て、リテイルサイエンスに復帰。西友の再生請負人に招かれた。
低価格路線は採らないと言っている大久保氏がどんな策を打ち出すかが注目された。楽天Gと連携し、OMO(オンラインと実店舗の融合)戦略を本格化させた。
楽天は2018年、西友との共同出資で楽天西友ネットスーパーを設立していた。
21年、経営体制変更後、25年に「食品スーパーで業界ナンバーワン」「ネットスーパーで業界ナンバーワン」を目指す中期経営計画を策定した。
しかし、経営体制にきしみが生じた。楽天Gは23年5月、保有する西友HD株20%をKKRに220億円で売却し、スーパーの経営から身を引いた。この結果、KKRの持ち株比率は65%から85%に急上昇。残り15%はウォルマートが引き続き保有する。
楽天Gは23年12月、楽天西友ネットスーパーを完全子会社にするとした。1年の移行期間を経て社名やサービスの詳細を固める。