半導体メモリー大手キオクシアには「前門の虎、後門の狼」に…上場後に待ち受ける“2つの難題”
もともとキオクシアは、東芝の半導体事業の会社だったが、米原発子会社ウェスチングハウスの破綻で追い詰められた東芝が、虎の子の半導体事業を「東芝メモリ」として分離独立させたのは17年4月。その後、18年6月に米投資ファンドのベインキャピタルが主導するコンソーシアム(企業連合)に総額2兆円で売却され、19年10月にキオクシアホールディングスに社名を変更した。
このコンソーシアムには韓国の半導体大手・SKハイニックスも参加しており、キオクシアの株式を間接的に保有している。
「SKハイニックスは、春先から生成AI向けに需要が急増している次世代半導体メモリーを日本で生産する協業をキオクシアに働きかけており、上場を急がせた」(市場関係者)とみられている。
■3番目の株主に浮上
SKハイニックスはベインキャピタルの特別目的会社を通じて新株予約権付き社債を保有しており、上場後に株式に転換されると14%を出資する3番目の株主に浮上する。その後、キオクシアの株を買い増し、買収も可能だ。