著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

吉田茂は「日本の指導者は武力制圧を考えて行動」と謝罪

公開日: 更新日:
1951(昭和26)年9月7日夜、各国演説の最後の49番目に登壇し、対日講和条約の受諾演説をする吉田茂首席全権(中央)。議長はアチソン米国務長官。背景の参加国の旗はこの時点で51本で、日章旗は翌8日午前の講和条約調印式で初めて右端に掲揚された(C)共同通信社

 講和会議は、アメリカのトルーマン大統領の挨拶から始まった。「今こそ憎しみは捨てよう。これからは勝者も敗者もない。平和への協力者があるのみ」という内容であった。講和条約の提案国としてアメリカ、イギリスがそれぞれ条約の説明を行った。こうした議事の進行はアメリカを中心に事前に調整が行…

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