福岡資麿厚労相のクビを絞める参院改選組と加藤財務相…高額療養費で迷走、年金法案先送りで不信任“ロックオン”
党内厚労族のホープのはずが…
この事態に野党は攻勢を強めている。予算案などへの対応では足並みが乱れたが、年金法案では政権との対決姿勢で一致。ターゲットに据えるのは、法案を所管する福岡資麿厚労相だ。13日の自民・立憲民主の参院国対委員長会談で、立憲の斎藤嘉隆氏は年金法案が提出されない場合には「大臣の資質やリーダー性が問われる。衆院での不信任案や参院での問責決議案を出すという話になってくる」と牽制した。
「断念を表明すれば野党は即、迷走を重ねる高額療養費見直しの責任と合わせて、衆院に不信任案を提出。衆院は野党多数なので可決の公算は高い」(ある野党議員)
福岡氏は党内厚労族のホープと称され、昨年10月の石破政権発足時に初入閣。念願の厚労相ポストを射止めたが、目の上にはタンコブが存在した。
「加藤財務相です。過去に厚労相として3度入閣し、計3年3カ月務め、同じ茂木派に所属した派閥の先輩でもある。とりわけ、財務省は少子化対策の財源捻出のためだと高額療養費制度の見直しに固執。代弁者の加藤さんに立場上、福岡さんは何も言えず、財務省の抵抗に巻き込まれた側面はある」(自民党関係者)
首筋寒い福岡氏は参院の改選組と“パイセン”を呪うしかない。
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賃金・物価上昇を高額療養費上限引き上げの理由にするのはおかしい──。12日の衆院厚労委員会で立憲民主党の井坂信彦議員が「論理的にも数学的にも間違っている」と問題視。「賃金・物価動向に合わせて引き上げる必要はない」と主張した。●関連記事【もっと読む】『石破政権が掲げる高額療養費見直しのデタラメ根拠…「賃金・物価上昇ゆえに上限引き上げ」の論理破綻を野党指摘』で詳報している。