ロレックス大量窃盗団の“指示役”逮捕…シノギに困り「呉越同舟」で上納金稼ぐヤクザの窮状
■元神戸山口組系と山口組系がタッグ
今年1月、神戸山口組の中核組織だった「山健組」傘下組織の50代幹部の男が、都内の店で盗品のロレックス1本を230万円で販売し、逮捕された(後に不起訴処分)。今回の事件の逮捕者は計15人に上り、うち4人が弘道会系、山健組系、他団体の暴力団関係者だった。
「丁自身も、もともと神戸山口組傘下の組織出身です。山口組と激しく対立していた2016年、大阪府門真市の弘道会系の組事務所に盗難車のトラックでバックで突っ込み、玄関や壁を破壊した。その後、弘道会傘下組織の野内組に移籍し、幹部となった。弘道会出身の山口組の高山清司若頭は上納金の取り立てが厳しく、金に困ってラーメン店を経営していた直参もいた。高山若頭のやり方に不満を抱いた直参が次々離脱し、分裂騒動が勃発。丁らもシノギに困り、かつての敵味方など関係なく、利害が一致したのではないか」(前出の捜査事情通)
1992年に約2万3000人だった山口組の構成員は、昨年末の時点で3300人まで減少。高齢化が進み、警察の取り締まりも強化され、渡世稼業は苦しくなる一方だ。