吉井理人氏がふり返る日本シリーズ「楽天投手陣を支えた堅い守備と積極走塁」

公開日: 更新日:

 単打でも外野手がもたつけば二塁を狙う。適時打を放った打者走者は、外野の返球が内野手の頭上を越えたのを確認するとすかさず二塁を陥れる。変化球や落ちるボールを多投する投手がマウンドにいれば、塁上の走者は投球と同時に軽くスタートを切る。投球がワンバウンドしてからスタートしたのでは、とても次の塁は奪えない。

 こういうプレーは普段から意識付けされていなければできない。一塁の米村ベースコーチは、この投手はワンバウンドが多いから二塁を狙えるなどと常に野手にアドバイスしていたと聞いた。

 先の塁を狙うがゆえのミスは生じる。日本シリーズでも塁を欲張った走塁死がいくつかあったとはいえ、星野監督は積極的な走塁ミスを怒らないという。だからこそ選手も、ミスを恐れずに積極的な走塁を心掛けるようになる。

 投手は単打1本で二塁まで行かれたり、捕手が変化球を少しはじいただけで進塁されたりすると、余計なプレッシャーがかかる。思い切って腕を振れなくなる。

 ピッチャーはお山の大将といわれる。今回の楽天も、田中と則本と美馬の投球で日本一になったという声がある。しかし、野手の堅い守りが彼らの投球を生かし、積極的な走塁が巨人の投手陣にプレッシャーをかけた。楽天の投手はそれを嫌というほど理解しているし、投手はいつも野手に感謝しているものだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  2. 2

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  3. 3

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 4

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  5. 5

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か

  1. 6

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希の立場を左右する? サイ・ヤング賞左腕が復帰へいよいよ秒読み

  3. 8

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  4. 9

    なぜこのタイミング?巨人オコエ瑠偉、増田大輝だけが「実名報道」されたワケ…違法オンカジ騒動で書類送検

  5. 10

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  3. 3

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  5. 5

    加賀まりこ「鈴さん」人気沸騰中!小泉今日子と《そっくり》の母親役でフジ月9“夢の共演”を待望する声

  1. 6

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 7

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  3. 8

    永野芽郁「文春砲第2弾」で窮地…生き残る道は“悪女への路線変更”か?

  4. 9

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  5. 10

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった