ドジャースは朗希までIL入りの深刻投壊でも…大谷「投手復帰」は非現実的、焦点はプレーオフか
雪崩を打ったように離脱者が続出しているドジャース投手陣。日本時間14日は、佐々木朗希投手を右肩インピンジメント症候群のため、負傷者リスト(IL)に入れたと発表した。
これで開幕ローテ5人のうちスネル(32)とグラスノー(31)、リリーフではトライネン(36)に続きフィリップス(30)までIL入り。カーショー(37)ら10人が開幕当初から60日間のILに入っているから、さながら野戦病院のようだ。
歯止めがかからない投壊に、米メディアからは大谷翔平(30)の早期投手復帰を望む声も上がっているものの、「ドジャースの構想はまったく逆。投手陣が手薄だからこそ、打ち勝つ以外にないと受け止めています」と、メジャー関係者がこう続ける。
「首脳陣が考えているのはワールドシリーズを制した昨季同様、大谷、ベッツ(32)、フリーマン(35)のMVPトリオで打ち勝つ野球です。仮に大谷が先発ローテに入ったとしても、投げられるのはせいぜい週に1回ですからね。大谷ひとりが先発したからといって、投手陣が脆弱な状況が大きく変わるわけではない。それに右肘と左肩の手術明けの大谷にとって、いまの時期から投打同時出場を強いるのは現実的ではない。登板日や登板の前後にラインアップから外すことを考えたら、その方がチームにとってダメージは大きいですから」
5月に入ってからの大谷は、ここまで10試合で41打数15安打(打率.366)、5本塁打、11打点。「父親リスト」に入って湿りがちだったバットが復調気配だけに、大谷抜きで打ち勝つ野球は不可能というのだ。大谷の勝ち越し12号3ランなどで14-11で打ち勝った日本時間10日のダイヤモンドバックス戦が典型だろう。
とはいえ、打線から大谷を外せない状況が、この先もずっと続くわけではない。
「プレーオフ進出が確実になれば、話は別でしょう」とは前出の関係者。
ドジャースは13日現在、2位のパドレスに1.5ゲーム差つけてナ・リーグ西地区首位。勝率.659はメジャートップだ。
昨年、ドジャースが地区優勝を決めたのは9月27日。12年連続となるプレーオフ進出を決めたのは9月20日。それ以前にプレーオフに出ることはほぼ確実になった。
今季、ドジャースが狙うのは今世紀初のワールドシリーズ連覇だ。プレーオフで頂点に立つことだから、ポストシーズン進出が確実になれば、レギュラーシーズン終了まで一時的に余裕が生まれる。登板日や登板日前後に打線から大谷を外したところで、大勢に影響はない。