柔道GS好発進の裏で…IJF会長が狙う「ジャパンマネー」
不祥事に揺れた日本柔道が今年最後の国際大会で面目を保った。
日本で唯一、行われる国際大会のグランドスラム(GS)東京が29日に開幕。初日は男女5階級が行われ、今年の世界選手権金メダルの男子60キロ級・高藤直寿(20)らが大会連覇を果たすなど日本勢は全5階級を制覇する好スタートを切った。
女子48キロ級では女子高生の近藤亜美(18=愛知・大成高)が、ロンドン五輪金メダリストのサラ・メネゼス(ブラジル)、世界選手権優勝のムンフバット・ウランツェツェグ(モンゴル)を相次いで撃破するなど新鋭も現れた。
日本勢の活躍に国際柔道連盟(IJF)は胸をなで下ろしていることだろう。11月29日には今年のスポーツ界であらためて存在感をアピールしたIJFのマリウス・ビゼール会長が来日。開催中の国際大会であるグランドスラム東京の視察の他、全日本柔道連盟(全柔連)の上村春樹前会長辞任後に冷え切った関係を改善するため、宗岡正二新会長への表敬訪問が主な目的といわれるが、真の狙いはもちろん別にある。
一連の不祥事で全柔連のスポンサー企業は激減した。現段階ではIJFに直接の影響はないものの、競技発祥の地である日本の柔道離れをIJFは看過できない。